荒木祐樹、ホンダGT7大会出場
2023年12月10日、ホンダ・レーシング(HRC)によるグランツーリスモ7大会「Honda Racing eMS GT Grand Final 2023」が開催されました。
参加者20万人を超えるオンライン予選を1位通過し、18歳以上対象の「Challenge(チャレンジ)クラス」本大会に出場した荒木祐樹(あらきゆうき)のインタビューをお届けします。
機材に苦戦したオフライン大会
■久々のオフライン大会ということで、全体的な感想
荒木:レース1は1位だったから良かった。レース2は練習時間が無かった。DDPROに触れる時間が少なかった。
■会場の雰囲気やいつもと違う機材について感想
荒木:機材のペダルを動かせることを知らなくて、(踏み込むのに)遠かった。下を見ていたのはそういうことです。
あとDDPROはフィードバックが弱かった。いつも使っているT-GTと比べて、曲げてるときのガタガタいう振動がこなくて、曲がってるのか曲がってないのかわからなかった。90度まで曲げたらやっと反応が来る感じです。気になったのはそこだけ。
ヘッドホンしてたから盛り上がってたかどうかわからなかった。人は結構いたから盛り上がってたんじゃないかな?
実況席の方も何言ってたかわからないし、聞き取れなかった。自分はハンコンとの闘いだったから、聞いてなかった。U17は盛り上がってたからよかったと思う。
オンラインの仲間と現地交流
■オンラインでの10年来の友人と初めて会ったということで、その心境
荒木:兄弟みたいなもんです。付き合いが長いから、意見がよく合うんですよね。違和感も無く、想像通りだった。
■似た者同士という感じ?
荒木:イゴール(大村・フラガ選手)や諒汰(國分選手)とはちょっと違う感じですね。
■今回も「しらす組」と行動していたようだが、そもそも「しらす組」とは?
荒木:コミュニティではないし、飲み会の仲間みたいな感じですかね?チームでもなんでもないし。ただ俺らが悪ふざけでそういう名前にしただけで(笑)共感する仲間ではありますね。
■名前の由来は?
荒木:「ko sirrus(ケーオー・シラス)」っていう人をもじっただけで、普段穏やかな人なんですけど、怒ってたときの様子が怖かったんで、頭(かしら)と呼ばれ始めた。それが何だったのか(なぜ怒っていたのか)覚えてないですけど。
■集まってどういうことをしている?
荒木:ニュル(ニュルブルクリンク)走るだけですね。あとは他のゲームしたり。最近は公式戦とかは全くやらないです。SPORTのころはたまにやってましたけど。ゲームのパーティを開いてたら、自然と集まってくる感じですね。
ニュル市販車タイムトライアルが理由で参加
■最近はGT7の大会に出る場面が少ないが、今回参戦した理由
荒木:國分君から「ホンダのイベントあるよ」って言われて、自分は興味ないって言ったんですけど、「予選ニュルだよ」って言うから参加しました。
■市販車だったから参加した?
荒木:そうですね。さすがにフォーミュラとか言われたらいやですけど。
■フォーミュラ等のレーシングカーを好まない理由は?
荒木:目がついていかない。レーシングブレーキ踏んだ時にアンダー出るのが体に合わない。
■タイムトライアルで1位をとった感想
荒木:1位をとったからどうってのは無いですけど、イゴールに勝ってよかったかな。お互いの対抗意識みたいな感じですかね。
■他の人が1位だったら?
荒木:どうでしょうね?あのシビックに関してはいけるって自信があったんで。
■(ニュル同好会としての側面もある)しらす組の反応は?
荒木:いや別に。トップ4はオンラインで集まりましたけど、他の人は1周回ってゴールド取れれば(ゲーム内通貨が獲得できれば)いいやぐらいの感じだったんで。
手の内をよく知る同士のレース
■レース参加者にはよく知る顔ぶれが集まったと思うが、その心境
荒木:まわりの人もトップ5くらいから争ってたんで、いいレースできたかなって感じですかね。
■レースとしてやりやすい?
荒木:まあ、やりやすいっちゃやりやすいですけど、お互いの手が見えてるってのがありますからね。
■手の内が知られていて駆け引きしづらい、戦略を立てづらいといったことは?
荒木:全然ないです。(裏をかいたりとか)それを考えてるのはイゴールくらいじゃないですかね。少なくとも俺はそういうのは無いです。
■イゴール選手や國分選手のような、仲の良い強豪プレイヤーと走る心境
荒木:正直に言うと、日本でやる大会だと緊張というか、なんだろうな、様子見はしないですね。ワールドシリーズのときはやりづらかったですね。(馴染みのない海外の選手と走るため)
第1レース1位フィニッシュ
■第1レースは1位となったが、その感想
荒木:ペースが遅くてごめんねという感じですね。ベストの0.6くらい遅かったです。
■鈴鹿とシビックの組み合わせはどうだった?
荒木:全然悪くない、自分的には嫌な組み合わせではなかったですね。良かったと思います。
■イゴール選手が常に2番手に迫っていたが、どういう心境だったか
荒木:うまいなーとしか思ってませんでしたね。それより3番手があんなに果敢に来るとは思ってませんでした。オフラインになったら急に来るから、ええーとなって。練習ではそんな感じじゃなかったんですけどね。
■意識的にブロックしていた?それとも相手が攻めてこなかった?
荒木:いやそれは無かったです。単純に自分のペースが悪かったのと、そういう展開になったからですね。あれはそういうレースだったんで。
■トップ5台ほど固まっていたが、どのあたりまで意識していた?
荒木:正直にいうと2~3番手までしか見てなかったです。何回も言いますけど、ハンコンに必死だったんで。
機材セッティングと縁石に泣かされた第2レース
■第2レース予選が8番手タイムになったのは?
荒木:ペダルが届かないのと、肘がおなかに当たってカウンターが当てれなかったんですよ。自分で見ても一番遅いタイムでした。
■レッドブルリンクとNSXの組み合わせはどうだった?
荒木:正直嫌でしたね。1コーナー縁石めっちゃ跳ね返されるんですよ。あそこのペナルティがわかりづらい。
■何度かペナルティを受けていたのはその影響?
荒木:そこですね。
■表彰台は意識していた?
荒木:いや全然。
■目の前のレースに集中してた感じ?
荒木:はい。
今後の参戦は気分次第
■レーシングチーム監督としてドライバーからは一歩引いた感はあるが、興味のある大会があれば個人的に出場し続ける可能性はある?
荒木:今のところは。あとは自分の気分次第。
■今後の課題
荒木:レーシングカーに慣れる。Gr.4とかGr.3。今まで走れてたのがなんで走れないんだろうってのがあるので。ブレーキで頭入らないのが本当に嫌で、それはどうしようもないんですよ。
■今後大会やスポーツモードに挑戦する人に向けて
荒木:出るなら練習したほうがいいのと、言動には気を付けましょうというくらいですかね。言動が良くないと良く見られないじゃないじゃないですか。
ただ走ってるだけじゃダメなんで、一人で走るんじゃなくて、大会出ない人も誘って走るのがいいんじゃないかなと思いますね。
今大会の実況役であるピエール北川氏からも「ニュルの神様」と言われる腕前を持ち、方々から「ニュルマイスター」と称される荒木祐樹。
自身では第一線を引き、今後の参戦は大会内容や気分次第という、得意不得意がはっきりしている彼らしい発想ですが、いずれまた、ここぞという場で活躍する姿を楽しみに待ちたいと思います。