JeGT2020決勝
2020年末から開催されているeモータースポーツ大会「AUTOBACS JeGT GRAND PRIX 2020SERIES」、ついに最終戦が開催されました!
グランツーリスモのトッププレイヤーたちがプロレーサーや自動車関連企業と共演してきた本大会もいよいよ大詰めです。
予選ラウンドではぎりぎりの順位でFINAL出場権を獲得したニワカゲームス・レーシングチーム。まわりも強豪揃いですが、優勝を目指して挑みます!
予選スーパーラップ、ペナルティでノータイムに…
FINALの予選はスーパーラップ方式での実施。各チーム1周限りのタイムアタックを行い、そのタイムがレースのスターティンググリッドになります。
ニワカゲームスが使用する「レクサス RC F」はバランス型のマシン。突出した部分は無く、舞台となる「ドラゴントレイル・ガーデンズII」のタイムアタックには特段有利というマシンではありません。
ドライバーの腕がタイムに直結し、レースにおいては相手の弱点や状況を見極めて戦っていくことになります。
可能な限り上位グリッドでレースに臨みたいので、チームのエース荒木祐樹(あらきゆうき)が出走。タイムは1’28.771で4番手でしたが、審議の結果、四輪脱輪のペナルティでタイム無効に…
予選ラウンドの順位通り、8番手スタートとなってしまいました。
第1レース、3ポジションアップ!
FINALは全部で3レース。ニワカゲームスは3名の選手でそれぞれのレースに挑みます。
第1走者は龍翔太郎(りゅうしょうたろう)選手。今年の三重国体では一般の部で福岡代表となった実力者です。国体やJeGT以外にも様々なイベントに参加し、腕を磨いてきました。
今回は8番手スタート、最後尾ということで失う物もありません。ガンガン攻めて、少しでもポジションアップし井芹選手にバトンを渡したいところです。
ニワカメンバー、影のサポート
実は今回のレース、表向きには出ていませんが、キャプテン古川が無線で参加。レースの状況や判断が必要な箇所で指示を出し、龍選手をバックアップしていました。
かなり荒れ模様だった第1レースを冷静に戦い抜いたのも、チームメイトと繋がっていることが精神面の支えになったようです。
第2レース、入賞圏内へ!
第2走者は井芹颯真(いせりそうま)選手。JeGTのドラフトを経てニワカゲームスに参加、世界大会も経験した熊本県の強豪ドライバーです。
井芹選手を第2走者に選んだのは理由があります。
井芹選手はJeGTの認定ドライバーとして個人戦にも参戦、このFINALにも出場しています。個人戦とチーム戦では性能の違うマシンが使用されるため、操作感が全く違います。
1日で2つの大会に出ているのも同等で、個人戦・チーム戦の両方に出場している選手は、やはりこの切り替えに苦労しているようでした。
ニワカゲームスでは井芹選手への負担を軽減するため、個人戦の直後である第1レースを避け、最もハードな第3レースでもなく、第2レースで出場してもらうことにしました。
最終戦!タイヤ戦略ミスで6位に
第3走者は再び荒木祐樹選手。世界大会こそ出場したことがないものの、トップランカーたちとも競い合える力を持ったドライバーです。
スーパーラップでは残念ながらペナルティでタイム無効となりましたが、まわりも強豪で固めてくると思われる最終レースには、やはりエースをぶつけるしかありません。チームの勝利を託します!
タイヤ戦略の必要な最終戦
別々のタイヤを使ったレースでは、より性能の良いタイヤを長持ちさせることが重要です。今回の場合はソフトタイヤとミディアムタイヤの両方を使用しなければならないので、よりスピードの出やすいソフトタイヤを長く使う方が有利。
しかしソフトタイヤは摩耗も早く、だんだんとスピードが出なくなり、コーナリングもしづらくなります。ブレーキを掛けたり、負担のかかる走り方をすれば摩耗も早くなってしまいます。他車と競うあまり、タイヤを余計に消費するのは避けたいところ。
一方ミディアムはソフトに比べると長持ちしますが、スピードは出ません。どのタイヤを何周使うのか、レース全体を通して計画しておく必要があります。(レースとなると、他車とのバトルで不測の事態が起こるのも難しいところ)
成長と糧を得られた大会
当初は予選ラウンド通過も危うかったニワカゲームス。FINALにおいてもスーパーラップでこけてからのスタートで、大逆転勝利を狙っていましたが、最後は詰めの甘さが出てしまいました。
荒木選手も普段は世界大会出場を目指していますが、今シーズンは絶望的な状況でグランツーリスモから離れており、練習不足の状態。
どんな理由であれチームとして参加している以上、選手の行動として褒められたものではありませんが、終了後にチームメイトへ謝罪している姿が印象的でした。
普段は自信満々で、己の非を認めない(そもそも間違いを犯さないようにしている)タイプですが、人としての成長を垣間見た気がします。
チーム競技が人の繋がりを強くする
選手として出場するメンバー以外も積極的に協力し、結束を高められたように思います。
グランツーリスモは基本的に個人競技で、なかなか人と協力するという場面はありませんが、無線でチームメイトを支援したり、さまざまなシチュエーションを想定した練習レースを組む等、チーム戦ならではの光景が見られました。
筆者も監督として参加し、チームで大会に参戦する面白さを体感することができました。勉強不足なところや改善点も見え、ニワカゲームスをレーシングチームとして、またコミュニティとして強化していく糧を得られたように感じます。
チームをご支援いただいた皆様、観戦・応援していただいた皆様、大会運営およびライバルの皆様、またタッグとしての提案を快諾していただき、チームに参戦権を与えてくださったユーエスオートの柴田さんに感謝を申し上げます。