JEGT2024第2戦、エンタテ!区LEGENDS表彰台獲得!

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JEGT2024第2戦

国内最高峰の賞金つきeモータースポーツ大会「AUTOBACS JEGT GRAND PRIX 2024 Series」(オートバックス・ジェイイージーティー・グランプリ・2024シリーズ)、ラウンド2が開催されました。

ラウンド1では総合7位という結果を残した「eM福岡 エンタテ!区 LEGENDS」(イーエムフクオカ・エンタテック・レジェンズ)。今シリーズ中、全3戦のうち1度は表彰台(3位以内)に上がることがチーム内の目標です。

しかしここは国内最上位のドライバー達が名を連ねるトップリーグ、表彰台は容易ではありません。何の工夫も無く、正面切って戦うのは得策とは言えません。

雨の富士スピードウェイ

ラウンド2の舞台となるのは、静岡県に実在するサーキット「富士スピードウェイ」です。しかも雨天が予報されている今回のレース、うまく利用すれば上位入賞が見えてきます。

昨シリーズの雨レースでは失敗に終わった経験があるため、今回も気が抜けません。

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RX-VISIONは路面が少し濡れている方がグリップするとか…?

スーパーラップ:大原悠暉

大原悠暉,eM福岡 エンタテ!区 LEGENDS

事前予選スーパーラップは大原悠暉(おおはらゆうき)が担当。ラウンド1の決勝レースで3ポジションアップの大活躍を見せた男、今回は1周に全てをかけて走ります。

全10チーム中6位とまずまずの順位を獲得。同じ車種ではトップのタイムをマークしました。

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ハイパースプリント:岩田和歩

岩田和歩,eM福岡 エンタテ!区 LEGENDS

スーパーラップの順位を基にグループ分けされて競うハイパースプリントは、岩田和歩(いわたかずほ)が担当。富士スピードウェイを2周で決着する超短期レースに臨みます。

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加速性能の差を活かして、開幕からトップに浮上
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2周目、ホームストレートで追いつかれ逆転される

54号車が1号車を抑える展開になればチャンスもありましたが、最終的には元の順位に戻った形でハイパースプリントは終了。短いレースとはいえポイントが懸かっているため、ポジションダウンしなかっただけでも御の字といったところです。

決勝レース:堤口直斗

堤口直斗,eM福岡 エンタテ!区 LEGENDS

ラウンド2、決勝レースは副監督兼チームリーダーである堤口直斗(つつみぐちなおと)が担当。日頃から牽引役としてチーム練習を積極的に開催し、チームの強化に励んでいます。

前述のとおり雨が予報されているレースですが、どの程度降るのかによって戦略が変わってきます。本番前の練習走行における天候状況もチーム内で分析していましたが、なかなか意見がまとまらない様子。
堤口選手は「ミディアムで走り切る」と宣言したものの、チームメンバーからは「正気か?」という反応。雨量によっては、レインタイヤでなければ全く先に進めなくなる状態も起こりうるため、当然の反応と言えます。

しかし最終的には担当ドライバーの感覚を信じ、タイヤ交換無しで走り切る作戦に決定しました。

明暗を分けたピット戦略

4周目の終盤、ついに雨が降り始めます。続々とピットインする車両の中、ステイアウト(ピットインしないこと)を選択したのはわずか2チーム。「雨はすぐに止む」「多少濡れた路面でも走り切る」、実現しなければ負けです。

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ハイリスク戦略を選択したのは2チームのみ
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ブレーキが利かず若干のコースアウトとなった第1コーナー、見る側にも緊張が走ります

この先にもフルブレーキングが必要となるシケインや急なコーナーの多い最終セクションの危険地帯が待ち受けますが、半周もせずに雨は止み、まずは何事も無く周回します。

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追いついてきたレインタイヤ勢とは争わず先行させます

雨は止んだとはいえ、まだまだ路面は濡れた状態。当然ながら溝の無いスリックタイヤでは速く走れないため、このままではレインタイヤに勝てません。しかしレインタイヤはあくまで濡れた路面を走るためのものなので、乾いてくると遅くなり、タイヤの摩耗も激しくなります。

周回を重ねるごとに路面は乾き、スリックタイヤの方が速く走れるようになってきました。こうなると立場は逆転し、レインタイヤで走り続けるメリットは無く、再びのタイヤ交換を余儀なくされます。
最初からスリックタイヤを履いていたエンタテ!区 LEGENDSは、当然そのまま走り続けます。

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他チームが再びピットインしたことで2位に浮上
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そのまま走り抜いて表彰台!

無難な勝ちは無い

他のチームと同じようにレインタイヤを使っていれば、車両同士のバトルは発生するものの、危険な路面で走るリスクは避けられます。しかしそれで表彰台に上がれるでしょうか?

雨を利用して表彰台を狙う、まさにハイリスク・ハイリターンを地で行くような戦略でしたが、雨の中をコースアウトやスピン無く走らせるには、シビアなブレーキングやアクセル調整が必要となります。

それを実行する技術力は当然のことながら、相応の自信が無ければ決断できません。様々なシチュエーションを想定してきたチーム練習が後押しとなり、「勝つにはそれしかない」という事実と意志によって、成し遂げられたのだと思います。

まずはひとつ、シリーズ中に表彰台に上がるという目標は達成できました!総合順位はひとつ上がって6位となりました。

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決戦、東京オートサロン

次はいよいよ最終戦。「東京オートサロン2025」(2025年1月12日)が決戦の舞台です!ぜひ現地で、白熱のレースをご覧ください。会場でお会いしましょう。

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TOKYO AUTO SALON 2025 e-SPORT EXPERIENCE